Day The Day
音楽と絵と晴れの日さえあれば
多分 生きて行ける。
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A
少女Aは覚えていた
その幼児はまだ産まれて一年と満たなかった 母親と父親は彼女をとても大切にしていた 幼児は分かっていた 幼児は両親の愛情を全身で理解していた しかし幼児はこの愛が永遠に不変に続く物でない事を知っていた 幼児は伝えたい事があった 幼児は世界を見ていた 両親と同じ世界を見ていた 偽り無く世界をその目で確かに見ていた 幼児は全てを把握していた 幼児は全てのコンプレックスを目の当たりにしていた 幼児は全てを伝えたかった しかし術が無かった 言葉という記号への変換能力が無かった 言葉自体もなかった 今抱いている感情を具現化し他人という世界へ排出する術を知らなかった 幼児には言葉が必要だった この世界で普遍的な言葉と言う伝達方法が必要だった しかし幼児は分かっていた 言葉と言う術を学んだその時の自分は きっと今のこの感情は言葉と言う色に塗り替えられた似て非なる加工物になってしまう事を理解していた 幼児は目を瞑った 幼児は世界を喪した そして言葉を学び 今日今感じた感情を過去へと置き去りにして行く事を 幼児は選択せざるを得ない事を理解していた そうする事が俗に呼ばれる成長だということを そして誰もが自分がそうする事を望んでいる事も すべて把握し明日へと目を瞑る 少女Aは覚えていた 少女Aは5年前まで幼児だった 少女Aは5年を得てたくさんを知った 24時間を365日繰り返し5回それを応用した 少女Aは沢山を学んだ 少女 Aは世界の一部となった そして今日もその代償として5年前に置いて来た感情を愛おしく思いながら 均等に灰色に塗りたくられたモルタブに肌を擦るのだ |
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Author:マリ 最近のコメント最近のトラックバック月別アーカイブブロとも申請フォームブログ内検索RSSフィードリンクPowered By FC2ブログOTHER |